ディレクトリ・トラバーサル (Directory Traversal) は、不正なアクセスの手法の一つで、攻撃者がWebアプリケーション等に対してファイルシステムへのアクセスを行うことができる脆弱性のことを指します。
ディレクトリ・トラバーサル攻撃とは
ディレクトリ・トラバーサル攻撃は、攻撃者がWebアプリケーション等に対して、ディレクトリトラバーサルの脆弱性を利用して、Webアプリケーションの動作とは異なるファイルにアクセスすることができます。攻撃者は、攻撃に成功すれば、WebサイトやWebアプリケーションに保存された機密情報を盗み出したり、Webサイトを改ざんしたりすることができます。
例えば、以下のような攻撃が考えられます。
http://example.com/index.php?page=../../../../etc/passwd
この攻撃では、index.phpのページにアクセスする際にパラメータとして../../../../etc/passwdを渡しています。../は、親ディレクトリを意味し、/etc/passwdは、Unix系OSでユーザーのパスワード情報が格納されているファイルです。攻撃者は、この方法でサーバー上のファイルにアクセスし、機密情報を取得することができます。
ディレクトリ・トラバーサル攻撃への対策
このような攻撃からWebアプリケーションを守るには、以下のような対策が考えられます。
パラメータのバリデーション
Webアプリケーションが受け取るパラメータを正しく検査することで、不正な入力を拒否できます。例えば、ディレクトリトラバーサル攻撃から守るためには、パラメータに不正な文字列が含まれていないことを確認することが重要です。
パスの正規化
Webアプリケーションが受け取ったパスを、システムが扱える正規の形式に変換することで、攻撃者がディレクトリトラバーサル攻撃に使用できる記号(../)を無効化できます。
アクセス制限
Webアプリケーションからファイルシステムにアクセスする権限を厳密に制限することで、攻撃者がファイルシステム内のファイルにアクセスすることを防ぐことができます。Webアプリケーションが必要とする最小限のアクセス権限だけを与え、不必要な権限を持ったユーザーによる攻撃を防ぐことができます。
サンドボックス化
Webアプリケーションが動作する環境をサンドボックス化することで、攻撃者がWebアプリケーションを通じてファイルシステムにアクセスすることを防ぐことができます。サンドボックスは、Webアプリケーションが動作する環境を制限し、アプリケーションがファイルシステムへのアクセスを制限できるようにします。
セキュリティ製品の利用
Webアプリケーションのセキュリティを強化するためには、セキュリティ製品を利用することが重要です。セキュリティ製品は、Webアプリケーションに対する攻撃を監視し、不正アクセスを検出することができます。
また、開発段階でのセキュリティ設計やコードレビュー、ペネトレーションテストなどのセキュリティ対策も重要です。Webアプリケーションには、様々な脆弱性が存在するため、適切なセキュリティ対策を講じることが必要です。
まとめ
総じて、ディレクトリトラバーサル攻撃は、Webアプリケーションにとって重大な脅威です。攻撃からWebアプリケーションを守るためには、上記のような対策を講じることが必要です。また、Webアプリケーションのセキュリティを強化するためには、定期的なセキュリティ診断を実施することが重要です。
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