QCストーリーのテーマの選定

QCストーリー

テーマの選定は、改善すべきことを決めるためのQCストーリーの最初のステップです。マネジメントとしてテーマ選定が最も重要なステップです。より良いテーマ選定をすることが、より成果を導き出します。

問題解決型QCストーリーによる問題解決の解析的アプローチ
解析的アプローチは、すでに起きてしまった問題に対して解析し、因果関係を明確にし、問題の原因を改善またはなくすことで問題を解決する方法です。 解析的アプローチとして、代表的な手法はQCストーリーです。QCサークルなどの小集団活動として問題解決...

テーマ選定理由を明確にする

あるべき姿と現状を定量的に比較して、問題を明確にします。

問題のタイプに応じた解析的アプローチと設計的アプローチの使い分け
我々は日常的に「問題」とか「課題」という言葉を使っていますが、問題とは辞書的には、 解答を求める問い 批判・論争・研究などの対象となる事柄 困った事柄 世間が関心をよせているもの となりますが、「問題」とはゴールと現状のギャップであるといえ...

定量的にできれば、それを適切にグラフや図を使って見える化することで、何をどれくらい改善すべきか、具体的な管理特性が見えてきます。そうすることでこのテーマの重要性を説明できるようになります。

テーマ選定の着目点

組織目標との整合

全社の目標や戦略からこのQC活動に至るまでにも一貫性が必要です。より上位方針を理解しているマネジメントがテーマ選定に対して積極的に指示や提起する必要があります。

環境変化

様々な種類の環境変化がありますが、調査会社なども活用して情報を整理してデータ化することが重要です。

環境変化を察知して課題・問題の仕組みを解明する
自社・自部門に課題や問題がないということはあり得ないことではないでしょうか。何事もまず課題や問題を認識するところから始まります。 日々の管理業務に追われていたり、作業に追われていたりしていると課題や問題をなんとなく感じながらも見過ごしてしま...

職場の問題

職場にはすでに管理特性があり過去のデータが揃っているべきです。もしもそれさえも不十分であれば、それ自体が問題で解決すべきです。

過去の管理特性データから目標未達であれば、それをテーマとすることが考えられます。また管理特性のトレンドから未来を予想し環境変化と合わせて未然防止に着目することもできます。

改善目標設定

具体的な改善目標は後で決めますが、ここではテーマに対しての目的設定のための目標になります。あるべき姿を目標として目標設定の3要素「何を(管理特性)」「どれだけ(目標値)」「いつまでに(納期)」で表します。

ときにあるべき姿を定量化できず目標設定の具体的な根拠が得られない場合があります。なんとなく故障率を半分にするとか設定する場合があります。しかし問題と感じていることに確信があれば、そのまま先に進んでもよいでしょう。

テーマ名の設定

改善目標を達成するというのがテーマですから、「何を(管理特性)」「どれだけ(目標値)」「いつまでに(納期)」改善するのかを表現します。「いつまでに(納期)」は活動期間を区切ってあって明らかであれば省略してもよいでしょう。

次のステップ

テーマの選定ができれば、次のステップの現状把握に進みます。

QCストーリーの現状把握
現状把握では単に現状を知るのではなく、選定したテーマに対して攻めどころを見つけることを目的とします。現状を調べることで、プロセスやシステムのどこを改善すべきかを特定していきます。「ばらつき」に着目することがコツになります。ただデータが十分に...

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