コンピューターセキュリティにおける基本原則:Saltzer & Schroederの8原則

セキュリティ

Saltzer & Schroeder の8原則は、コンピューターシステムのセキュリティ設計において基本的な原則の1つです。これらの原則は、システムのセキュリティが強化され、攻撃者による不正アクセスや悪意のある行為から保護されることを目的としています。

効率的なメカニズム(Economy of mechanism)

この原則は、セキュリティメカニズムを単純かつ効率的に設計することを推奨しています。つまり、セキュリティに関連する機能を小さく、単純にすることで、誤作動やバグのリスクを低減することができます。

フェイルセーフなデフォルト(Fail-safe defaults)

この原則は、システムをデフォルトでセキュリティの強化された状態に設定することを推奨しています。つまり、不必要な機能をデフォルトで無効にすることで、攻撃者がシステムにアクセスした場合でも、システムが自己防御することができます。

完全な仲介(Complete mediation)

この原則は、システムのあらゆるオブジェクトに対するすべての処理に関与することを推奨しています。つまり、認証などのプロセスを通じてすべての処理に対してアクセス制御を行うことで、システムにおけるアクセスの権限を確実に管理することができます。

オープンな設計(Open design)

この原則は、システムの設計内容を秘密にすることを避け、オープンで透明な設計を採用することを推奨しています。つまり、攻撃者がシステムの弱点を探すのを困難にするために、セキュリティに関する情報を積極的に公開することが重要です。

権限の分離(Separation of privilege)

この原則は、アクセス制御の設計において、権限を分離することを推奨しています。つまり、複数の鍵を使用して、各ユーザーに必要な権限だけを与えることで、攻撃者が1つの鍵を手に入れた場合でも、システムの他の部分にアクセスすることができなくなります。

最小限の特権(Least privilege)

この原則は、システムのユーザーに対して必要最低限の権限しか与えないことを推奨しています。つまり、ユーザーに与えられる権限を制限することで、不正アクセスや悪意のある行為からシステムを保護することができます。

最小限の共通機構(Least common mechanism)

この原則は、複数のユーザー、プロセス、またはシステムが共通のリソースや機能を使用する場合に、最小限の共通機構を使用することを推奨しています。つまり、共通のリソースを利用する場合でも、ユーザーやプロセスの分離を確保することで、セキュリティの強化が可能となります。

心理的受容性(Psychological acceptability)

この原則は、セキュリティメカニズムを導入する場合に、ユーザーが受け入れやすい形で実装することを推奨しています。つまり、セキュリティ機能を実装する際に、ユーザーが利用しやすく、使いやすいものにすることで、セキュリティが強化されるだけでなく、ユーザーがセキュリティ対策に積極的に協力することが期待できます。

まとめ

これらの原則は、コンピューターシステムのセキュリティ設計において非常に重要であり、これらを遵守することで、システムのセキュリティが向上し、攻撃者による不正アクセスや悪意のある行為から保護することができます。

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