管理職でも通常の業務も行っているようなプレーイング・マネージャーの場合、一体管理職とは何だろうかと疑問に思うこともあると思います。日本の伝統的な会社の場合、ある一定の年齢に達すると管理職に任用されますが、管理職に任用されたとしても前まで行ってきた仕事と同じことをやっていていったい何が変わったのかわからなかったりもします。
職位の違いは身分の違いではない
管理職になったから地位が上がって偉くなるかというと、必ずしもそうではないです。確かに給与体系が変わって多少処遇の面で良くなるかもしれませんが、職位の違いを身分の違いととらえていると今の世の中ではそれを許しません。
職位とは組織の中の地位のことですが、地位とは立場、処遇、役割のことです。職位が違うということは、立場や役割が異なることで、機能が違うということです。部下を下に見て怒鳴り散らしてマネージメントできるほど甘くはありません。
管理職になったら職責が増えるが
部下の不祥事があれば上司も職務上の責任が及びます。これは機能として部下を管理するという管理職として上司がやるべき仕事に対する責任が追及される訳であって、部下の不祥事イコール上司の不祥事ではありません。
このように機能の差によって職責が異なります。責任が重いから給与が高いというより求められる機能があがり、それに応じて給与が与えられるということになります。組織を任されている場合は、その組織の成果に対して責任を持つことになります。ですので一般的には組織が大きく、業務が複雑になるほどその責任も増すことになります。
ただ技術系の場合は専門性もありますので、必ずしも職位が責任に比例しないことが多いです。
技術系管理職には専門性が重要な要素
組織の成果がだせるように組織を管理するのが管理職の役割だというのが一般的かと思いますが、技術系の場合は多少違うと思います。
例えば大規模なソフトウェア開発で、全体のシステム設計を担当しているマネージャーは設計方法に対して責任を持ちますが、コーディング部門がどのように働くかについては責任を持ちません。場合によっては部員数100人を超えるコーディング部門の部門長よりも、たった一人でシステム設計を統括しているマネージャーのほうが職級が高いこともあり得ます。
技術系の管理職の場合は専門性が重要なファクターになります。畑違いであったり、全く専門性がない人が技術系を管理できるほど技術系管理職は甘くないです。より高い専門性が必要な業務を行う組織ほどその傾向は強いです。
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