ISO 10002は、顧客からの苦情処理に関する基準を定めた国際標準です。この基準には、効果的な苦情対応のための9つの基本原則が含まれています。
公開性
1つ目の基本原則は、公開性です。顧客や関係者に対して、苦情申し立て方法や対応先などの情報を広く公開することが大切です。また、苦情対応プロセスにはアクセスしやすく、申し立てや解決の詳細が入手できるようにすることも重要です。
アクセスの容易性
2つ目の基本原則は、アクセスの容易性です。すべての苦情申し立て者が簡単にアクセスできるように、苦情対応プロセスやサポート情報を分かりやすく、使いやすい形式で提供することが必要です。言語や形式に関係なく、すべての申し立て者が利用できるような代替形式も提供することが望ましいです。
応答性
3つ目の基本原則は、応答性です。苦情申し立てを受け付けるときには、早急に通知し、緊急度に応じて迅速な対応をすることが求められます。また、丁寧な対応や適時の進捗状況の報告も大切です。
客観性
4つ目の基本原則は、客観性です。すべての苦情について公平で、偏見のない態度で対応することが望ましいです。
料金
5つ目の基本原則は、料金です。苦情対応プロセスにアクセスするときには、申し立て者に対して料金を請求しないことが大切です。
機密保持
6つ目の基本原則は、機密保持です。申し立て者の個人情報は、必要な場合に組織内で利用することができますが、顧客の同意なしに情報を公開しないように、適切に保護することが必要です。
顧客重視のアプローチ
7つ目の基本原則は、顧客重視のアプローチです。組織は、顧客のフィードバックを積極的に受け入れ、苦情を解決するためのコミットメントを示して、顧客重視のアプローチを取ることが必要です。
説明責任
8つ目の基本原則は、説明責任です。組織は、苦情対応に関する説明責任や報告の実行が明確に確立されていることを確保する必要があります。
継続的改善
9つ目の基本原則は、継続的改善です。苦情対応プロセスや製品品質の継続的改善を行い、顧客が満足できる商品やサービスの提供に努めることが必要です。
まとめ
これら9つの基本原則を守ることで、組織は顧客からの苦情について適切に対応し、不満やクレームを解決することができます。また、積極的な改善に取り組むことで、顧客満足度の向上や信頼性の高い企業イメージの形成にもつながります。
コメント