テレワーク時代にマネジメントが変わるべき3つのこと

マネジメント手法

コロナ禍もあって世間ではテレワークが急速に浸透してきている一方で、ホンダのようにテレワークをやめる企業もでてきています。従業員の視点ではテレワークの方がメリットが大きいことは明かですから、経営の視点でやめる決断に至っていると言えます。

働き方がオフィスワークからテレワークに変化したのにもかかわらず、経営陣やマネジメントが何も変われないのであれば、確かにデメリットばかりが目立つことになると思います。ホンダの経営陣やマネジメントは短期的デメリットに気をとられて時代の変化に追従できなかったということでしょう。

ではそうならないためにどのようにマネジメントは変わればよいのでしょうか。テレワーク時代のマネジメントがどう変わるべきなのか、ポイントを3つ説明します。

可視化できることが重要なマネジメントスキルに

今までは目で見て分かる職場の雰囲気だったり、聞こえてくる音だったりから察知できた職場全体の忙しさやメンバー毎の負荷のバラツキのようなものは、テレワークとなると感じ取ることが難しくなります。

以前であれば職場にいるだけで、何か問題を抱えていそうなメンバーの雰囲気を感じ取って、ちょっと声をかけたりして、特にスキルとかなくても、普通にコミュニケーションしていくだけでマネジメントが成立していました。

テレワークとなり、メールやチャットの行間を読まない限り、メンバーが心の中で考えていることを察知するのは難しくなっています。察知の仕方にこだわる必要はなく、例えばメンバーの稼働状況だったりコミュニケーション量を可視化して、忙しさを見える化してしまう。いつもと違う、みんなと違うをトリガーにコミュニケーションしてみるといったことができます。

このような可視化は工夫次第で色々と出来ます。グループウェアを導入しても良いですし、Microsoft365環境を使っているのであれば、Power Platformなどを駆使して簡単に色々できてしまいます。こういった環境を駆使して可視化するスキルがマネジメントとして必要になっています。

責任役割を設定しアウトプット管理を主体としたスタイルに変える

今までの業務管理では、役割を与えて過程も含めて細かくみることで、たとえ成果があまり出ていなくとも、何かしら働きがあったことを評価することができたりもしました。

テレワークとなると、過程を細かく見ることが難しくなり、見るのはアウトプット中心になります。そうすると中途半端な役割だったメンバーはアウトプットが無くなり評価できなくなります。

ですので仕事のアサインの仕方は、どちらかというと欧米的に役割と責任を同時に設定するスタイルに変えるべきです。特に責任の設定が重要です。ここでの責任とは個々の課題に対する成果に対してであって、役割を果たすための責任と少し異なります。

メンバー毎に課題とそれに対する期待値を前もって設定し、それをクリアしていく様を管理するマネジメントスタイルに変えるべきです。

コミュニケーション量を倍増やす

オフィスにいると自然に発生するコミュニケーションも、テレワークで何もしないとコミュニケーションの絶対量は減ります。ここを問題視する人が多いように感じます。

非言語コミュニケーションの研究者、レイ・L・バードウィステルは、二者間の対話において、ことばによって伝えられるメッセージは全体の35%に過ぎず、残りの65%が非言語コミュニケーションにより伝達されるとしています。

チャットや通話だけだと、ただでさえ半分以上コミュニケーションが薄まってしまいます。それを補うには量を増やす以外ありません。意識して今までの倍はメンバーとコミュニケーションをとるよう働きかけなくてはいけません。

問題があれば対策して解決するのがマネジメントの仕事ですが、そもそも仕事を放棄している人が多いように感じます。

まとめ

従業員の働きやすさを考えずにテレワークをやめる企業もでてきていますが、そういった企業はまずマネジメントが変わる必要があります。人は変化を嫌う生き物で、特に年寄りになればなるほどその傾向は強いようですが、従業員のことをもっと大事にし、自ら痛みをもって変わるべきです。

ITを使いこなすこと自体が難しいのであれば、それは後進に道を譲るときだということでしょう。それができないのであれば、残念ながら若い人が離れていくだけの企業となってしまいます。テレワークについて何が正しい経営判断かは明らかです。

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