アインシュタインの3つの言葉から問題解決に対する考え方を学ぶ

問題解決

改善活動であったり、問題解決を業務として取り組むことは当たり前のことだと思います。しかし問題解決をするのにどれくらいの業務時間を割いているのでしょうか。問題解決ばかりやっていて生産的な仕事をほとんどしていないようでは本末転倒です。

緊急度が高い問題であれば、多少時間がかかっても将来のために改善を行うべきですが、緊急度があまり高くなかったり、効果があまり見込めないような改善に時間を費やすのは無駄なことです。

アルベルト・アインシュタインが問題解決についてどのように考え、アプローチしているかを参考にすることは、彼の実績が裏打ちするように必ず役立ちより良い対策に効率的に導いてくれると思います。ここでは彼の3つの言葉を紹介したいと思います。

問題を作ったときと同じレベルでは解決できない

Problems cannot be solved by the same level of thinking that created them.

職場で起きている問題を、その職場に何年もいるような人に解決しろといっても大抵うまくいきません。問題を作ってきた人が、その問題を解決するというのは無理があります。

QC活動がうまくいかない理由をアインシュタインが説明してくれています。問題を生んでしまったような思考レベルで、さらに難しい問題解決ができるわけがないのです。

正しくはレベルというよりも、視点というべきだと思います。立場が変わって問題を見る位置が変わると、その問題をより的確にとらえることができるようになります。

視点を変えるのは、より上位の経営の視点でもよいですし、別の部門でも良いです。同じ部門だったり同じような業務内容しか経験していないと、視点を変えることも無理があります。想像力に頼って視点を変えるのもリアリティがなくダメです。

たとえ色々な会社や部署を経験して、色々な視点で問題をとらえることができるとしても、そこにも限界があって他人の意見や見方を参考にする必要があることを知ることは大切です。

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問題定義に時間をかけろ

I would spend 55 minutes defining the problem and then five minutes solving it.

朝一に市場トラブルが発生した報告を受けて、夜までに対策ソフトウェアをリリースしないといけないとします。もちろんすぐに何か対策を入れてリリースしたいという気持ちはわかります。でもまだ一日猶予があります。時間を有効に計画的に使う必要があります。

問題を正しく捉えることは、問題解決において最も重要なプロセスです。QCストーリーにおいても要因分析までが最も重要で、これが正しくできている場合結果は必ず良いものになります。

緊急を要する問題の場合は特にすぐ対策したくなります。周りが騒ぎたてて冷静になれないような状態になる場合もあります。そんな場合でも計画を立てて、要因分析にできるだけ時間を割くことで、結果的に短時間で問題解決できることになります。

あきらめない

It’s not that I’m so smart, it’s just that I stay with problems longer.

問題解決でも厄介な仕事でも、自分のところに来ると出来るだけ早く片づけようとして、いい加減な対策を出したり、人に仕事を依頼するようなことをしていませんか。一見仕事が速いように見えるんだけど、結果がでないような人は結構います。

問題にしっかり向き合って、脳みそに汗をかいて考えることは疲れることですが、それを長く続けることでしか解決しないことがあります。

でも四六時中考えているのではなくて、潜在意識に叩き込むくらい考え抜いたら、後は別のことを考えていても脳が勝手に解決策に導いてくれます。ただあきらめないで問題により長く向きあうことが必要なのです。

これはみんなが3時間しか考えないのを3ヶ月考え続けるといった根性の話ではありません。深く考えて、それを時折考え直すことをあきらめず繰り返すことです。

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まとめ

アインシュタインのこれらの言葉は問題解決に効率的に取り組む助けになります。視点を変えて問題を考えたり、要因分析に時間をかけたり、良い策がなくてもあきらめないで考えなおすことで効率的に効果的な対策を行うことができるのではないでしょうか。

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