昔は管理職とは人を通じて目標を達成することが仕事でしたが、業務が多様化、複雑化するにつれて、部下を持たない管理職が増えていると思います。特に技術系にはその傾向が強く表れていると思います。
人・物・金・情報・技術などを管理するのが管理職
管理職が管理する対象は、部下・同僚・部下・他組織といった「人」と、設備・システム・材料・在庫といった「物」、予算・原価・収支といった「金」、「情報」、「技術」などの経営資源すべてです。「技術」に関しては特に複雑化し、環境技術や標準化など企業間での活動も増えてきていますし、開発部門間でも技術を統括する機能が必要になることが多々あります。人は対象としませんが、主に「技術」を対象にマネジメントを行うという役割もあります。
管理職の目的は組織目標を達成することであって、基本的には対象が何かは問題にはならないと言えるでしょう。「人」を管理していなくても立派な管理職です。
バブル採用世代問題
バブル時代では大量の社員を雇っていた企業も、1995年頃には2,3割り程度まで新規採用を減らしています。日本企業は今50歳くらいの人を大量に抱えている状況です。50歳になって管理職でないというのもどうかということで、人事部は無理矢理にでも管理職にしまうこともあります。
開発部門であれば、ある程度年を取られると管理職で残れない場合は、品質管理部門や商品管理部門などスタッフ部門へと人員移動があって、人員構成は比較的健全で、管理職は基本的に部下を持っているか、高度な専門知識を持って技術を担当しているかになると思います。
また年を取るにつれて技術についていくことが難しくなり、技術に情熱が無ければ開発部門に残ることが難しくなっていきます。
このように技術系の部門は新陳代謝が良く、他の部門と比較するとバブル採用世代問題の影響をあまり受けていないと言えると思います。
技術系管理職は理想的に働ける
「人」のマネージメントをしていると何かと文句が言いたくなることがあるものです。特に組織に歪みがあればあるほど、「人」のマネージメントは困難になっていきます。昇進や昇格のためにあまり必要でない新しいポストを考えたりというのは、組織目標を達成するという管理職の目的に沿ったものではありません。
技術系管理職は組織目標達成に向けてフォーカスできる、まだ恵まれた環境下にあると言えると思います。
コメント