「風が吹けば桶屋が儲かる」はよく使われるたとえですが、理論がつながっていたとしても、現実にはあり得ない屁理屈に対して使われます。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の理論
風が吹くと、砂が舞って、砂が目に入って、それが原因で失明する人が増加して、目が不自由な人の職業または道楽として三味線が売れて(昔の話です)、三味線を作るために猫の皮が必要になり、猫が減ってしまって、天敵のネズミが増えて、ネズミに桶がかじられてダメになる。なので桶の需要が増えて桶屋が儲かるという理論です。
もちろん風が吹いても桶屋は儲からない
原因と結果の一つ一つを見ていくと、一見成り立っているようにも見えますが、一つの原因が結果に100%結びついていない限り、理論を重ねていくと発生する確率はゼロに近づいていきます。
原因は必ずしも一つではありません。複数の要因が重なり合って結果が生まれます。目に砂が入ってもすぐに洗い流せば良かったものの痛いのを我慢しながら目を洗わずにいたら失明するかもしれません。でも実際はすぐに目を洗うのでそのリスクは極めて少ないはずです。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の例では、それぞれの結びつきが弱く、理論が多段なために、実際の確率はほぼゼロになるといえます。
改善活動の理論は屁理屈になっていないか
改善活動でも複雑に絡み合う要因を整理して対策を出しますが、それがあまりにも現実的でない場合に遭遇します。とくに改善活動を繰り返し実施しているこの状況に陥りがちです。
QCストーリーの対策の立案で行うように、その因果関係の度合いを常に定量的に確かめることが重要です。
屁理屈になるようであればその改善活動はやめるべきです。
因果関係が妥当でも理論構成は3,4段が限界
80%の確率でそれぞれの因果関係が成立するとしても、3段で51%、4段で41%ほどの成立確率になってしまいます。一つ一つの因果関係が定量的に妥当だと判断できたとしても、その理論構成はせいぜい3,4段に留めるべきです。
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