目標設定はマネジメントの重要な仕事です。アウトプットは短い言葉になるかもしれませんが、その後ろには様々な配慮があるものでなくてはいけません。
目的と手段
「目的(purpose)」とは成し遂げようと目指す事柄のことであって、「手段(means)」とは目的を達するための方法のことです。QCストーリーの対策の立案でも、基本目的を達成するための一次手段を抽出して、一次手段を目的にしてそれを達成するための二次手段を抽出します。このように手段は場合によって目的になります。また目的に対して手段は複数存在することになります。
場合によって手段は目的に変わるので、会話の際にはどのレベルで見ているのかといった視点で目的が変わってくるので相手との認識合わせが重要になります。また目的と手段の階層化された全体像が見えていないがために基本目的を見失ってしまって、目的と手段を混同している状況になることもあります。通常組織の目的にしていることは、その組織のレベルからの視線である必要があります。
目標設定
目標とは何か
「目標(Objective)」とは、目的を達成するために設けた目指すべき状態のことです。目的を達成するための一つの到達点であって、目標を達成した後には新たな目標が設定され最終的に目的を達成するものです。
例えば売上高を2倍に増やすとか到達点は定量的に表されるべきです。そうでなくてはそこに到達できたかどうか分かりません。しかしそれを1年でやるのか、10年でやるのかによって考えらえる手段は変わってくるはずです。時間軸を明確にすることが必要です。
定量目標と定性目標
具体的に数値で表現できるものが定量目標で、「何を(管理特性)どれだけ(目標値)」のように定めます。「コーディング外注化100%」とか「見積もり所要時間50%減」とか数値で表していますので達成できたかどうかが明確で管理しやすいと言えます。
しかし中には定量化できない、または定量化しにくい目標もあります。「バグ管理システムの導入」とか「○○研修参加」とかその状態に達したことが数値で表せないにしても客観的にもわかるものであるべきです。このようなものを定性目標とします。
定量目標であっても定性目標であっても「いつまでに」は明確に設定しなければなりません。
目標設定の3要素
定量目標では目標設定の3要素「何を(管理特性)」「どれだけ(目標値)」「いつまでに(納期)」で明確に表現することができます。
管理特性は測定可能なものである必要があります。目標値を設定するためには現状把握をし事実を明らかにして、要因を分析したうえで定めます。
到達可能であること
目標を決めるということは達成水準決めることになります。しかしその達成水準が到底到達することのできないものであれば、それは夢であって目標ではなくなります。目標は必ず到達可能なものでなくてなりません。マネジメントとしては到達可能の中でも到達不可能との境目のギリギリを狙って目標設定を行うべきです。
目的の明確化
目標を設定するときは必ず経営側があなたの組織に対して何を求めているのか正確に把握することです。会社全体の目的と手段の階層化された全体像をしっかりとつかむ必要があります。これがしっかりと出来ていないと正しい目標設定ができないだけでなく、部下の理解も得られません。
予定外に備える
必ずしも目標は達成できるものではないし、外部環境の変化によって目標の変更が必要になることもあります。目標を設定した後も様々な事態を想定して代替え案を準備しておくことです。
部下の能力育成
単に目的を達成するだけでなく、業務を通じて部下の能力が育成できてこそ組織は存続しうるものになります。部下育成も念頭に置いて目標設定を行いたいものです。
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