研究と開発

開発マネジメント

研究開発とか、R&Dとか何かとまとめて言われる研究と開発ですが、研究と開発とは全く別の機能であって、それを理解していないと混同して誤ったマネジメントをしてしまうことになります。

研究とは

企業で行う研究と、大学や研究機関で行われる研究には違いがありますが、企業において研究とは、経営が意思決定を行うための判断材料として必要な情報を得ることです。ですので技術的なものだけでなく、社会動向や市場動向なども研究の対象となります。

企業研究について

企業で行われている研究を企業研究として、大学や研究機関で行われている研究を学術研究とします。

企業とは利益を追求するところなので、研究の目的は課題をブレークスルーさせ競合他社を寄せ付けない技術を生み出すことなど、結果として企業の利益につながります。学術研究では利益とは関係が無いところで、広く体系的に行われ公共性の高いものです。

企業研究だろうが学術研究だろうが、研究では妥協せず本質を追求していくことが重要です。しかし企業研究では研究結果が経営の意思決定に有益でないと意味がありません。自分の研究が企業にとってどれくらい役に立っているかを尺度に管理すべきです。

開発とは

開発とは、経営の意思決定を形にすることです。そこに研究的な要素が入り込むと形にするプロセスにおいて大きなリスクとなり、タブーといえます。

開発する商品には多くの新しい技術を導入することになると思いますが、新しい技術はすべて研究として試作やプロトタイピングが行われていたり、技術のある他社から購入したものである必要があります。

これが守られていないと納期が大幅に遅れたり、コストが予想以上にかかったりといった結末になるのも不思議ではありません。こうなってはたとえ開発が完了したとしても適切なタイミングに適切なコストで導入しようとしていた経営の意図とはズレが生じてしまいビジネスとしては大きなロスとなります。

研究と開発を区別する

研究と開発とは経営の意思決定の前か後かで切り分けることができます。開発が十分に技術を持っていない状態で経営が意思決定を下したのであれば、経営の判断が間違っていたということだし、それを正しく伝えられなかったマネジメントにも問題があります。

一度開発がスタートしてしまい開発中に見つかった課題を解決するのは、研究段階で課題を見つけ解決するコストに比べて莫大な費用がかかります。急がば回れが結果として最善なことが多いです。

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