Yet は使う機会の多い副詞ですが、苦手としている日本人が多いように感じます。またうまく適切に使っていると「できるな」と思ってしまう単語でもあります。
否定文で使うときの訳である日本語の「まだ」という意味の単語と単純に覚えてしまっているというのが混乱する原因だと思いますが、今回は yet について一通りまとめてみますので、復習や理解に役立てていただければと思います。
Already と yet
Already は話している時点よりも前に起きてしまったことを意味します。ここには驚きや意外感が含まれます。
会議などで5時の終了時間に対してまだ時間があると思っていたけど、実はもう5時だったら以下のように表現できます。
Is it five o’clock already?
一方 yet は話している時点ではまだ起きていないことを意味します。もう起きて欲しいという期待が含まれます。
5時の退社時間が待ち遠しくて、もう5時だろうと思ったら以下のように表現できます。
Is it five o’clock yet?
Already はもう起きてしまったこと、yet はまだ起きていないことなのですが、話している人の気持ちが含まれていることがポイントです。
Already と yet の否定文
Already は否定文で使う機会は非常に少ないです。否定文で使った場合は、本当は前にすべきことだけど、まだしていないことを表します。
If you haven’t already done, please contact me for further instructions.
一方 yet は否定文と疑問文がほとんどになります。否定文の場合は、今のところまだ起きていないことを表します。
I haven’t finished yet.
Still と yet
Still は前の状態を知っていて、今もそれが続いていることを意味します。
相手の兄弟が大学に居ることを知っていて、まだ居るのか聞きたい場合は以下のように表現できます。
Is your brother still at university?
相手の兄弟がそろそろ大学に入る年かなと思って、大学に入ったかを聞きたい場合は以下のように表現できます。
Is your brother at university yet?
Still は主語の後、yet は文末にくる位置の違いもあります。
Still と yet の否定文
疑問文であえて日本語に訳すと、still は「まだ」で、yetは「もう」になり異なった訳になります。否定文で使うと実は両方とも「まだ」といった意味になります。
My daughter still hasn’t done her homework.
My daughter hasn’t done her homework yet.
違いは、still の場合は前の状態を知っていることと、yet の場合は期待が含まれていることです。still の「まだ」はある状態が継続しているさまで、yet の「まだ」はある状態に至っていないさまです。日本語の「まだ」は意味が広いですね。
Yet の肯定文
Yet は肯定文で使われることは少ないですが、肯定文の場合は、もういい加減終わって欲しいと思っているけど、まだ継続していることを表します。この場合 still とほぼ同じ意味になります。
違いは yet は期待に反してという意味が強いです。単にまだ継続しているというのであれば still を選択しないと変なニュアンスが伝わりますので注意です。
There’s a lot more work to do yet.
Have yet to と be yet to
Have yet to と be yet to はビジネス英語では頻出で、フォーマルな表現になります。話している時点で起こるべきことが起こっていないことを表します。絶対に身に付けたい表現です。
My colleagues are yet to arrive.
接続詞の yet
Yet は接続詞にもなり、「それにもかかわらず」とか「しかし」の意味になります。よく and が前に付きますが意味は同じです。but がくることもあります。
It is a strange and yet true story.
強調の yet
More や another や again の前に強調として「更に」のような意味となります。
The copier has broken down yet again!
最上級と yet
今のところ最高という意味で、最上級に yet が使われます。Ever でも意味は近いのですが、yet の場合はすぐに最上級でなくなるかもという期待が含まれます。
It’s the best yet found.
As yet
As yet は「今のところ」といった意味になりますが、その状況は絶対に変わることが含まれます。否定文だけにしか使わないです。
My colleagues haven’t come as yet.
まとめ
Yet は現時点ではそうでなくて、しかももう少しまだ続きそうで、でもすぐにそうではくなることの期待が含まれています。こうやって書くと難しそうですが、ニュアンスを含めて、already と still との違いを意識することで正しく使うことができるようになると思います。日本語訳は忘れて状態の時間的変化とその期待の関係を意識して積極的に使ってマスターしたいですね。
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