By and large は辞書的には「全般的に」とか「大体」といった意味になります。このイディオムをみてまず by と large を並列させているけど、両方が対等とは思えないですよね。更に何でこれで「全般的に」とか「大体」といった意味になるのか想像が付かないと思います。
起源は航海用語
そもそもこの言葉は、17世紀ごろ船乗りの間で使われていた用語が元になっています。当時の船はエンジンなんて付いておらず、帆を使って航海をしていました。
こういった帆船は風に押されて走るだけでなく、風が吹いてくる方向に対してある程度角度がつきますが、ジグザグさせながら風に逆らった方向にも進むことができます。
風上に進んでいることを by
風上方向に進んで行くことを、今では sailing into the wind と言いますが、当時は sailing by the wind と表現していました。よって sailing by というのは、風上方向に進んでいることを意味します。
風下に進んでいることを large
風上に上るときは、横帆はしまって、セールを引きますが、風に押されて風下方向に進んでいく場合、横帆を全て降ろしたり、セールを横に出して、帆を大きくして風をはらませます。このことから sailing large というのは、風下方向に進んでいることを意味します。
By and large でどんな方向に行っても
By も large も航海用語で、by and large というと風上方向も風下方向もとか、風上になったり風下になったりということです。
「どんな方向に行っても」ということから「全般的に」とか「大体」とかにつながっています。現代英語でもすこし航海をしているつもりで、経営的な判断を下す際に使いたいところですが、実際はそういったことを意識する必要もなく、どんな場合でも in general というような意味で使えます。
By and large, I think his idea is good.
I found that, by and large, people tend to do what they are told to do.
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