ビジネス文書には起承転結は向かない

ロジカル・シンキング

文章を書くときは起承転結で構成するようにと学校で習いましたが、ビジネスの世界では起承転結はご法度です。起承転結がダメな理由としては、何を言いたいのか最後まで聞かないとわからないこと、論理構成と文書が一致しないこと、話が長くなることの3つあると思います。

誰も最後まで話に付き合ってくれない

起承転結では「結」が結論ですが、それが最後に来てしまっています。物語であれば最後に結論が来てもよいかもしれませんが、忙しいビジネスの世界で結論は最後まで聞かないとわからないのでは誰も話を聞いてくれません。場合によっては話の途中で帰れと言われてしまうでしょう。

CRFの原則

ビジネスの文書は物語ではありません。まずは結論(Conclusion)が来て、次に理由(Reason)が並んで、それを支える裏付け(Fact)を添えます。CRFの原則と言われピラミッド・プリンシパルも応用できます。実践的には最後に結論をもう一度添えてまとめることはやります。そこでPREP法とかSDS法とかもあります。起承転結の「転」で対策を説明したとしても一本釣りに聞こえて説得力に欠けます。

理由を3つ用意してピラミッド・プリンシパルで説得する
ピラミッド・プリンシパル(ピラミッド・ストラクチャということもある)とは、演繹法と帰納法を組み合わせた手法で、より説得力のある主張ができます。 まずは主張を分かりやすくまとめてみる ピラミッド・プリンシパルの良いところは、まず結論から述べる...

簡潔に説明するのに「起」と「承」は邪魔

起承転結の「起」では、前提条件の共有を行うことで続く文の導入を行います。ビジネスの世界では前提条件が共有されていることがほとんどです。新たな相手に、新たなコンテキストを導入する以外は「来期の予算の件ですが、」など導入に関しては一言で済んでしまいますので必要はありません。また「承」に関しても、すでに明らかなことが多く説明する必要もなく冗長でくどく聞こえます。

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