総務省はICTを活用してた場所や時間にとらわれない柔軟な働き方であるテレワークを積極的に推進しています。企業の目線では、ナレッジワーカー主体の今ではどんなときでも担当者とつながる利点は大きく、企業としても積極的に導入したいところでしょう。
総務省では、テレワークの意義・効果のひとつとして「ワーク・ライフ・バランスの実現」をあげていますが、実際にそうなるかは大きな疑問です。なぜかというと私が良い例だからです。
国際企業ではすでにテレワークが進んでいる
私の会社はいわゆる国際企業で本社はアメリカで、世界各国にオフィスがあります。電話会議やテレビ会議は日常茶飯事ですが、やはり時差が壁となりEメールがコミュニケーションの主体となります。
社内会議は例えばアメリカの夕方と、アジアの朝のような、大体オフィスアワーが重なるような時間帯に設定されます。でも完璧にはできないので、アメリカからの参加者は家から会議に入るとかは良くやります。
こういった環境なので、全員が会社のメールが使えるスマートフォンを持って、会社のネットワークにつながるラップトップPCを常に携帯しています。このようにテレワークはいつでもできる環境ですが、可能な限りオフィスで就業します。
社外はコントロールできない
私の顧客も国際企業が中心ですが、カウンターパートとなる人達は大体同じようなタイムゾーンにいます。しかし少し話が広がると様々なタイムゾーンの人たちと話す必要がでてきます。
常に会社のメールが受けれる状態なので、見てしまった以上たとえ夜中の1時であれメールに返信してしまいます。その内容ではメールでは埒が明かないので電話会議を一時間後とかに設定されてしまうこともしばしばあります。
お客さんとの会議なので仕方なく参加して終わった深夜4時頃には、アメリカの上司から色々とメールが入っていたりで寝る気がうせてしまいます。ここで上司に返信すると、起きていることが知られてかなりの確立で携帯に電話がかかってきます。
さすがにこういった日は正直つらいので、夕方6時くらいには仕事を切り上げて、夜12時くらいまで寝てしまいます。そして起きたらまた仕事を続けます。
働きすぎ日本人から制約を取るとまずい
実はこういった働き方をしている日本人は私だけでなく、他の会社にも大勢居ます。なぜか日本人は働ける時間が自由になると、とことん働いてしまう傾向にあるようです。
そもそも日本人は仕事の完成度を追及しすぎたり、自分の責任範囲外の仕事もフォローしたりで、仕事をやりすぎる傾向があって、夜遅くまで残業をしているのが当たり前だったりします。
そういった人種から終電や残業規制のような制限を取り外してしまうと、次は体が壊れるなど拒絶反応を示すまで働き続けることになっしまいます。
まとめ
テレワークによって「ワーク・ライフ・バランスの実現」が達成できるかというと、日本人の国民性ではかなり無理があって、グローバル化が進んでいる現状では逆に悪化する可能性があります。
テレワークの普及は、働きすぎ日本人から制約を取り払う行為で、過労死等の深刻な問題を発生させる要因へとつながる可能性が高く、危険なことではないでしょうか。
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