ビジネス英語では特にあいまいな表現は避けて、シンプルに表現したいところですが、現実はそうもいかないこともあります。
そういったときに as far as や as long as を使って条件を付けて、限定させた範囲で話すこともあります。しかし as far as と as long as をきちんと使い分けるのは日本人には少し慣れが必要なようです。
どちらも「~する限り」
参考書などをみるとどちらも雑に「~する限り」という訳になっていたりしますが、これが日本人を混乱させていると思います。こういったときはあまり日本語訳にこだわらないで、使い方で覚えてしまうのが良いです。
学校のテストで英文を訳すことが必要な学生には「~する限り」という訳が役に立ちますが、実際の会話では単に限定させるための条件を付けているという程度で理解していれば十分です。
確かにどちらも訳すと「~する限り」ですが、as far as と as long as を置き換えて使うことはできません。それぞれに別の使い方があります。
As ~ as は程度が同じ
そもそも as ~ as は程度が同じということを表しています。Far を使えば遠さが同じということになるし、long を使えば期間が同じということになります。Far は遠さ以外にも、much と同様に程度を表すこともできます。
I’ll travel as far as Kyoto.
I’ll stay as long as you want.
I’ll help you as far as I can.
これらの表現は、もとの far や long の意味から離れていないですから理解しやすい表現だと思います。As far as は遠さや程度、as long as は期間が同じということです。
As far asの発展
実際の遠さや程度から離れて、ちょっと抽象的にある範囲を表現するのにも使えます。
不確かなことを限定させて表す
例えば確信が持てなくて、自分はそうだと思っているけど、ひょっとしたら違うかもしれないという状況は多くあります。覚えている範囲だとこうなんだけど、自分の記憶はあてにならないような状況です。
こういった不確かなことを、あくまで限定させて、自分が覚えている範囲だったり、自分が知っている範囲で述べる場合に as far as が使えて、自分を起点にある範囲で成り立つことを表現します。
He is innocent as far as I know.
主観的な意見を述べる
上の形と近いですが、他人がどう思っているかは知らないけど、自分が考えていることだったり、自分が気に留めている範囲の話にしたい場合にも使えます。
As far as I’m concerned, I have nothing to say.
As far as she is concerned, he is perfect.
話題の範囲を絞る
上を更に発展させて、主語を人にしなくて物にするとより英語らしい表現になります。意味的には主語のものに関する限りではという限定した表現になります。訳すのであれば、「~に関しては」くらいの意味になります。
As far as traffic is concerned, there are no delays.
As long as の発展
As long as I live とか明らかに期間を表している場合は簡単ですが、解釈によっては期間とも言えるかもしれませんが、意味としては期間を離れてより発展させた表現もあります。
理由を表す
それが成立している間といえば期間のようですが、意味としては理由を表しています。Since とか because とほとんど等価に使います。
I am happy as long as you are here.
As long as I’m standing, I’ll turn off the light.
要求を示す
上の発展というか、as long as に続く文が言いたいことになって、実質的に要求を伝えることができます。
I’ll wear the costume as long as you don’t laugh.
まとめ
As far as と as long as は日本語訳が同じでも使い方は異なるので一緒にはできません。もともとの範囲とか期間とかという概念が薄れた使い方もありますし、日本語訳にこだわることなく別々に使い方を覚えることが必要です。
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