自社・自部門に課題や問題がないということはあり得ないことではないでしょうか。何事もまず課題や問題を認識するところから始まります。
日々の管理業務に追われていたり、作業に追われていたりしていると課題や問題をなんとなく感じながらも見過ごしてしまいがちです。また全く気付かずにお客様や次工程から指摘されて初めて気が付いたりということもあります。実は指摘されてしまうこと自体問題であったりします。競合に先を越されたりなども結局はマネージメントの問題であったりします。
表面的には問題がないように見えても、外的環境の変化によって問題が生じるような潜在的な課題といったものもあります。環境変化へに対しての情報感度を高めておく必要があります。
また問題が多く発生している状態では個別対処ではキリがなく、抜本的対策や未然防止策が必要で、原因に対して根本的な問題解決に取り組むことが必要になります。
さらに、立場によっても問題や課題の見方が変わります。異なった立場や外部から内部を見るよう心がけ、より問題や課題に対する視野を広げる必要があります。
環境変化
もしも環境が安定しているのであれば新しい問題というものは発生しないものです。問題や課題というものは、主として環境の変化により引き起こされます。環境変化により直接的に問題になるものもあれば、環境変化により企業目標自体を修正する必要性が生じて、そこから問題になるものもあります。環境変化に敏感なマネジメントが必要です。
政治的環境変化
新しい法律ができたり、今までの法律が廃止されたりといったことです。社会情勢や国際情勢の変化により様々な規制や規制緩和が進んでいきます。政府の金融政策・産業政策などの変化もあります。
経済的環境変化
政治的環境変化と関係がありますが、資源価格の変化や、為替変動や、業態変化や市場変化など、また企業合併や国営企業の民営化などのパワーバランスの変化も経済的環境変化になります。
技術的環境変化
技術はブレークスルーとなり今まででは考えられなかったことが可能になります。農業の分野であってもバイオテクノロジーによって様々な側面で限界が変わってきています。また技術的環境変化は人の生き方や働き方といったところにも影響を及ぼし社会的環境変化を引き起こします。
社会的環境変化
技術的環境変化に応じて、労働集約型産業においては合理化や最適化が進んでいきます。P2P金融などのイノベーションによって投資環境も変化していきます。人口動態の変化や、国外への優秀な労働力流出や、国外からの安価な労働力流入などにより働き方などの変化が生じています。
文化的環境変化
マズローの欲求5段階説にもあるように、暮らしが豊かになると欲求は別のステージに移行します。欲求の変化はライフスタイルや価値観に変化を及ぼします。
自然的環境変化
天災による影響だけでなく、自然環境悪化により環境維持のための活動が活発となり社会的環境変化や政治的環境変化へ発展しています。
根本的な問題解決
問題というのはときによって複雑で様々な要因が絡み合っています。根本的な問題解決というのは真の原因に対して対策を講じることです。ここではQC手法などを活用して問題を整理し、問題の構造を明らかにしていく必要があります。
問題というのは様々な要因や制約条件が絡み合って成立しています。その仕組みを解き明かす必要があります。様々な角度や切り口から問題を分析することで問題の仕組みがより明確になってきます。より視覚的に問題を分析することが重要です。
課題や問題が明らかになれば、それが文章で定義できるかどうか自分で問いかけてみる必要があります。「要するに何が問題なの?」と聞かれてすぐに簡潔に答えられないようだとそれはまだ具体的に問題や課題を認識しているとは言えません。
立場による違い
立場の違いによる課題や問題の差は近年より重要になってきています。分かりやすいものはCSRでしょう。企業としては企業活動にフォーカスしていればよかった時代もありましたが、今では地球温暖化のような環境配慮やステークフォルダーへの配慮がサステイナブルな企業活動として必要になっています。
これは企業内部においても同じです。開発部門の問題解決が、生産部門にとっては別の問題を引き起こしていることも多いです。様々な立場に配慮された問題解決に導くためにマネジメントのセンスが問われています。
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