ラックマウントという言葉自体はラックに取り付けるという意味で、ラックマウントシャーシとか、ラックマウントサーバーとかは、ラックマウントに取り付けられるシャーシであったり、サーバーであったりということになります。ここでいうラックには規格があって、決められたサイズになっているので、色々なメーカーの機材を同じラックにまとめて収めることができます。
19インチラックの規格について
この規格が定められているラックのことを19インチラックと呼びます。19インチは482.6mmで取り付ける機材の正面のパネルの幅になります。ラック自体の幅は19インチより多少大きくて、19インチ幅の機材が収まるようになっています。インチということからも分かるように規格自体はアメリカで決められたもので、EIA規格のEIA-310に定められています。国際的にもこの規格になります。
JISのラックも存在するが EIAとは互換性がない
でもおかしなことにJIS規格が存在します。JIS規格の19インチラックでは、幅が480mmとなっていて非常に近くて互換性があるように思えますが、高さとかネジ穴の場所とか互換性は全くありません。480ミリラックとか名前を変えて欲しいですね。JIS規格は特殊な用途でしか存在しないので、間違ってもJIS規格のものを買わないように注意が必要です。
高さの単位について
幅は19インチでどれも同じですが、高さには単位が決まっていてその単位を「U」で表します。1Uは高さ1.75インチ(44.45mm)になります。 1Uの機材もあれば、2Uや3Uのように整数倍の高さのものが存在します。4Uのラックマウントシャーシというと、高さは7インチになります。
ラックの高さ
19インチラックには42U収納可能なラックとか、4Uしか入らないラックとか本当に色々なものが存在します。必要な機材の量に応じてラックを選ぶことができます。
奥行きについて
奥行きは規格がありません。19インチラックは基本的に2本のポストで機材を支えているヒューマンフラッグ(人間こいのぼり)状態なので、奥行きは気にしないで良いはずです。
でも高さ優先の 1Uのサーバーが普及するにつれて、スライドレールを使うのが当たり前になってきています。スライドレールは前のポストから後ろのポストに取り付けて、4本のポストで支えて、前面に引き出せるようにするものです。
スライドレールのおかげで900mmを超えるような奥行きでも機材が変形することなく安定して取り付けることができるようになっています。
このように奥行きがある機材もありますので、19インチラックを選択する際にはどのくらいの奥行きのものにするかは重要なことです。これを間違えるとラックから機材がはみ出したり、配線がはみ出したりしてしまいます。
ラックのネジ穴について
高さが何Uかで機材側の取り付け穴の位置は大体決まっていますが、多少の空いている穴の場所や個数は変わってきます。しかし空いている穴のところには 19インチラックのポスト側に対応するネジ穴があります。
ネジ穴は10/32か12/24のインチネジが規格ですが、M5やM6などメートルネジのものもあります。ただこれはラックによってあわせればよいので、インチネジの入手性が悪い日本ではメートルネジのものを使うのもありかと思います。
ポストにネジ穴ではなくて四角い穴が開いているものもあります。これはケージナットといってネジ穴がついた金具を取り付けて使用します。頻繁に機材を取り外す際にネジ穴を傷めてしまうことがあります。ケージナットだと交換は簡単です。
ネジは必ずネジ穴にあったものを
ネジのタイプは色々あるのですが、ラックにあったものとそうでないものがあります。ラックマウントの機材を買うと一緒にネジがついてくる場合があるのですが、このネジのタイプが違って、電動ドライバなどで強引に回して入れるとネジ穴を壊してしまうことがあります。ラックにあったネジは自分で揃えておくと良いと思います。
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