デール・カーネギーの人に好かれる6つの方法

コーチング

デール・カーネギーの「人を動かす」の第二章に「人を好かれる六原則」があります。Six Ways to Make People Like Youが原書の見出しなのですが、別に六原則というようなことはなくて6通りの方法を示しているだけです。

管理職ならデール・カーネギーの「人を動かす」は必読
技術系でも管理職になれば上司や部下とのコミュニケーションはもちろんのこと、さまざまな関連部門の人たちとのコミュニケーションも増えることになり、高い対人コミュニケーション力が必要になります。コミュニケーションにより上司や関係者を動かす必要があ...
  1. 心から関心を寄せる(Become genuinely interested in other people.)
  2. 笑顔(Smile.)
  3. 名前が言葉で一番心地よく重要(Remember that a person’s name is, to that person, the sweetest and most important sound in any language.)
  4. 良い聞き手になる。相手が自分のことを話すように促す(Be a good listener. Encourage others to talk about themselves.)
  5. 相手の興味があることについて話す(Talk in terms of the other person’s interest.)
  6. 相手が自分のことを重要だと思えるようにする(Make the other person feel important – and do it sincerely.)

心から関心を寄せる

犬は本能から飼い主に対して本気で関心を示して飼い主に好かれています。相手の気を引こうとするよりも、相手に本気で関心を示すことが結局相手の気を引くことにつながります。それを本能で実施している犬から多くを学ぶことが出来ます。

人は自分のことばかり考えている

人は自分に関心を寄せてくれる人に必ず好意を抱きます。人は自分が一番好きで、一番関心があるという人間心理の本質がそこにあります。大好きな自分に関心がある人は当然好きになってしまいます。ですので、心からの関心を相手に対して示すことが重要です。

人はどんな時でも自分に駆け寄ってきてくれる愛犬のような行動が、マズローの欲求5段階説の所属・愛情欲求、社会的欲求を満たしてくれて心が癒されるのです。

相手に関心を引くのではなく、関心を寄せる

ある人に好かれたいと、自分をアピールするように着飾ったり、かっこつけたことを言ったとしても相手の気を引くことは難しいです。相手の気を引こうとするのではなく、自分が相手に関心を寄せることで、相手が自分のことを好きになるのを待つほうが早いということです。相手の服装を褒めたり、発言にうなずいたりといった行動の方がより効果的です。

笑顔

パーティーで豪華なミンクの毛皮やダイヤモンド、真珠などで着飾っていたとしても、よい笑顔の方がよっぽど好印象を与えるとカーネギーは言っています。笑顔はお金がかからないので良いですね。

メラビアンの法則

笑顔は表情の一つですが、表情は非言語コミュニケーションの代表的な手段です。人が相手からの好意を言語と非言語コミュニケーションでどれくらいの割合で判断しているかというと、メラビアンは言語情報が7%、口調などの聴覚情報が38%、表情などの視覚情報が55%の割合であったと言っています。これをメラビアンの法則と言います。

これから分かることは、人は言葉ではなく表情や口調などの非言語コミュニケーションで判断している、人はあなたの話を聞いていないで、表情や口調を感じ取っているということです。

非言語コミュニケーションは嘘をつかない

なぜ人は好意を判断する際には言葉を信用していないかというと、非言語コミュニケーションが言語よりも信頼できると本能で感じているからでしょう。

でも表情は作れるものです。特に笑顔は簡単に作れてしまいます。これを使わない手はないです。しかし感情の動きで無意識に出るしぐさや、汗が出たり、声が震えたり、顔が赤くなったりといった生理現象までもコントロールすのは難しいです。

しかしそういったところから、怒っているなとか、緊張しているなとか、興奮しているなとか感じ取っていると思います。

名前が言葉で一番心地よく重要

自分の名前の響きは、言葉の中で最も心地よく、最も重要と感じるものです。生まれるとすぐに名前が付けられて、繰り返し繰り返しその言葉をかけられ続けているので、そう感じるのも不思議ではないでしょう。

社長があなたの名前を覚えていたら

あなたが社員1万人を超えるような企業の係長だったとして、会社のエレベーターに偶然居合わせた社長があなたの名前を呼んで声をかけてきたらどう思いますか?自分の名前を覚えていてくれたんだと思い、相手に大きな好意が生まれるのと自分に重要感が得られると思います。

直属の上司が部下の名前を覚えることは当たり前ですが、より上の層の役職の人に名前を覚えておいてもらえることは大きな意味を持ちます。より高い役職にある人ほどより人の名前を覚えることの重要性が増します。

人の名前を覚える

ただでさえ人の名前を覚えることは難しいのに、高い役職が与えられたころには記憶力が低下してしまっているというジレンマにあいます。努力と工夫で乗り切りたいです。

名前だけでなくその人の趣味や家族のことや癖などの情報も一緒に覚えておきたいものです。単に名前だけを覚えていると、なかなか思い出せないことも付随する他の情報を思い出していくうちに名前が出てくることもありますので、できるだけその人に関連することも覚えることは役に立ちます。

日々人に会ったときに名前で呼びかけたり、挨拶にその人の名前を添えることで、記憶を常に新しくしておくことも重要です。

良い聞き手になる。相手が自分のことを話すように促す

良い会話者というと、テレビに出ている芸人のように常にしゃべっていて周りに笑顔や笑い声が絶えないような人のことをイメージしがちです。そのような人になることは才能も必要だし、誰にでもなれるものでもありません。

しかし優れた聞き役にならばなれるのではないかと思います。しかも話し上手よりも聞き上手の方が人に好かれるとしたらどうでしょうか。カーネギーは良い会話者が人に好かれるといっていて、聞き上手になるほうが良いと言っています。

話し手を満足させる

あなたが何かついてしゃべっていた時に、「面白いですね。もっと聞かせてください。」と言われたらどう思いますか?重要感が満たされてとても心地よく思うのではないでしょうか。

人は話すことで充実感を得ることが出来ます。この充実感を得るためには自分の話を喜んで聞いてくれる人が必要です。喜んで聞いているというのは、決してお世辞を適時言うということではなくて、集中して聞いてくれることで、それはうなずきとか相づちなどの動作に現れてきます。

相づちというのは簡単にできます。この簡単にできることが実は相手から好意を引き寄せるための重要なスキルであると言えます。

相談されたら聞き役に徹する

管理職であれば部下から色々と相談されることもあると思います。相談者は解決策が欲しいと思って相談に来ているのかもしれませんが、実は話を聞いてもらいたいだけの場合もあります。

相談されたらまず最初にすべきことは話を聞いてあげることです。真摯に話を聞いてあげて、話の途中で否定するようなことはしてはいけません。相づちをうったり肯定したりして話をできるだけ引き出してください。相手は話していくうちに自ら解決策を見出していけるはずです。

相手の興味があることについて話す

相手の関心を探って、それを話題にすることです。自分の関心のあることを話すのではなくて、相手の関心がどこにあるのかを話題を変えながら探りを入れて、相手の話はすべて同意、肯定します。

下調べが必要

話しながら関心を探る場合、自分が良く知っているような内容であれば話は続くかもしれませんが、良く知らない内容では話が続きません。相手が何に関心があるかある程度調べて、それに関する情報を少し勉強しておく必要があります。

全く楽しくない

相手と全く趣味が同じであれば楽しく会話ができますが、あまり興味がないことも話を聞き続けなくてはいけないということです。そこまでして人に好かれる必要があるのだろうかと思うかもしれないですが、これも仕事です。これで商談が取れたりと結果としてあなたの報酬につながることもあるし、自分自身が成長できることもあります。

相手が自分のことを重要だと思えるようにする

自己の重要感が大事なことは、「カーネギーの人を動かす3原則」で説明した通りですが、自己の重要感を褒めることで与えることです。

初対面で褒める

カーネギーは人に会ったらすぐに相手の大事なことを探り当ててそこを褒めなさいと言っていますが、これはかなり難しいことです。でも好意を一番得られやすいのが初対面でもあります。

人は自分の話をするのが好きですから、相手に色々と話をさせることによって情報を得て、たとえそれがあなたにとって小さなことでも褒めてあげることが大事です。また相手の話は真摯に聞いてよく覚えておきたいです。

とにかく褒めろ

初対面で褒めるとまた褒めてもらいたいと思って好意をもってあなたのところに近寄ってくることになり、更に会話を重ねることで情報が入り褒める点も増えてくるでしょう。相手が重要と思っていることを褒めることが効果的で、相手が重要と思っていることを探します。Facebookなどで調べるのも一つの手です。

デール・カーネギーの人を動かす3原則
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