今まであまり改善されていないような問題であれば、明らかな原因も対策が打たれずに放置されているものも沢山あります。
このような問題に対して、わざわざ問題解決型の解析的アプローチを用いて進めても良いのですが、すぐに打てる対策はすぐに打った方が良いと判断できるものも多いです。
大きな原因が見えているのであれば、早急に手を打ってみて、その効果を確認して歯止めを行うことをすばやく回すべきです。こういった問題解決のステップを施策実行型と呼びます。
施策実行型QCストーリーとは
問題解決型QCストーリーとほぼ一緒ですが、主に要因分析が省略できます。要因分析はQCストーリーにおいてキーとなる部分ですが、ここを省略すすることは大きく時間を節約することできます。
反面、個人の偏った視点によって他の重要な要因を見落としてしまったり、一本釣りの対策となってしまうことも起きてしまいます。
原因が本当に明らかなときか、多少のリスクを承知の上で、何よりも早く対策を打つことを優先するときに施策実行型QCストーリーが使えます。
「競合が関係する問題」と「競合が関係しない問題」の問題解決はプロセスが異なる
商品開発の問題解決の現場には、「競合が関係する問題」と「競合が関係しない問題」があります。これら2つの問題の問題解決において最も異なるのはスピード感です。その特性に応じたプロセスがあってしかるべきですが、あまり区別できていない人も多いようで...
施策実行型QCストーリーの8ステップ
施策実行型QCストーリーは以下の8ステップになります。
1. テーマの選定
あるべき姿と現状とを比較してギャップを明確化して、改善点を決定します。
QCストーリーのテーマの選定
テーマの選定は、改善すべきことを決めるためのQCストーリーの最初のステップです。マネジメントとしてテーマ選定が最も重要なステップです。より良いテーマ選定をすることが、より成果を導き出します。 テーマ選定理由を明確にする あるべき姿と現状を定...
2. 現状把握
データを集めて改善の攻めどころを絞り込みます。
QCストーリーの現状把握
現状把握では単に現状を知るのではなく、選定したテーマに対して攻めどころを見つけることを目的とします。現状を調べることで、プロセスやシステムのどこを改善すべきかを特定していきます。「ばらつき」に着目することがコツになります。ただデータが十分に...
3. 改善目標の設定
どこまで改善するか、活動の目標を定量的に設定します。
QCストーリーの活動目標の設定
活動目標の設定では、この活動の目標値を決めます。現状把握で見つけた攻めどころに対して、それをどこまで改善するのか達成レベルを明確にします。 進め方 現状把握で見つけた攻めどころとなる「ばらつき」に対して、どれくらい改善するのか目標を定めます...
4. 対策の狙いどころ
おおよその対策の方向性を決めます。
5. 対策の立案
対策案を評価して実施項目を決めます。
QCストーリーの対策の立案
対策の立案のステップでは、要因分析で確認された問題発生メカニズムから特定された要因に対して対策を立案します。 要因が非常に単純で簡単に対策ができるのであれば、即対策の実施に進みます。しかし容易に対策を行い二次障害が発生する可能性もありますし...
6. 対策の実施
決定した実施項目を計画に基づいて実施します。
QCストーリーの対策の実施
対策の実施では、前ステップで決めた対策を実施するわけですが、実施計画に基づいて対策が確実に実施されているか、対策の進捗は予定通りかを把握することが大切です。 事例に学ぶQCストーリーの“本当”の使い方posted with ヨメレバ猪原 正...
7. 効果の確認
効果を測定して目標達成できたかどうかを確認します。
QCストーリーの効果の確認
効果の確認では、対策を実施した結果、対策前と比較して効果がどれだけ出たかを確認します。活動目標の設定で定めた管理特性で対策後の効果を測定し、その値が目標値に達しているかどうかを確認します。 もしも目標値に達していない場合は、再度現状把握のス...
8. 歯止め
うまくいったものを標準化します。
QCストーリーの歯止め
対策がうまくいったものを標準化します。歯止めとは、再発防止のことで、成功施策を標準化して広く業務プロセスに取り入れることにより、問題の再発を防ぎ、体質強化につなげていきます。このステップはマネジメントが主に行います。 業務のやり方に問題があ...
問題解決型QCストーリーによる問題解決の解析的アプローチ
解析的アプローチは、すでに起きてしまった問題に対して解析し、因果関係を明確にし、問題の原因を改善またはなくすことで問題を解決する方法です。 解析的アプローチとして、代表的な手法はQCストーリーです。QCサークルなどの小集団活動として問題解決...
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