QC七つ道具とは

QCストーリー

QC七つ道具はQ7ともいわれ、グラフ、層別、チェックシート、パレート図、特性要因図、散布図、ヒストグラムの七つの手法で、現象を数値的・定量的に可視化するために活用されます。

グラフを活用して問題を明らかにして、パレート図、特性要因図やヒストグラムを活用して問題の要因を分析して、グラフや散布図をつかって対策の効果を確認したりします。

グラフ

データを視覚的に表す基本的な方法がグラフです。折れ線グラフや帯グラフがよう使われますが、データによって使い分けます。折れ線グラフ、帯グラフ、棒グラフ、円グラフ、レーダーチャートなどがあります。

折れ線グラフであれば、2つの数値の組のデータを表にプロットして直線で結んでいきます。こうすることで数値の傾向やパターンを把握することの助けになります。

polygonal line graph

折れ線グラフ

帯グラフも円グラフも、それぞれのデータの割合を見るのに適しています。好き嫌いもありますが、単に割合を見るだけであれば円グラフの方が視覚的に分かりやすいですが、例えば同じような割合のデータが年代別であるなど別の次元が加わる場合には、並べて比較できる帯グラフの方が適しています。

棒グラフは長方形の棒の長さで数値を表すグラフで、それぞれの数値の大きさを視覚的に比較することが出来ます。もう一次元加えて表現したい場合には、工夫により長方形を直方体にしたり、横に並べたりもできます。

レーダーチャートは複数の項目の大きさを把握したり、構成のバランスを把握するのに適しています。

グラフの作成

これらのグラフはどれもExcelを使って簡単に作れます。Excelはグラフの種類を簡単に切り替えることが出来ますので、さまざまなグラフの種類を簡単に試してみることが出来ますので便利です。またグラフを切り替えてデーターをみることで新たな発見があることもあります。

層別

様々な観点でグループごとに分けて分析してばらつきを見つけるのに利用します。グループはMECEに分類することが必要です。例えば、時間別や年齢別や作業者別などといった層別方法があります。同じ共通点を持つものでグループに分けてデータの特徴を見ます。

例えばあるグループにはばらつきが見られて、他のグループにはばらつきがあまり見られないなどが発見できれば、原因究明に役立つことになります。

まとまった一つのデータだとわからないことも、層別というフィルターをかけることによってみえてくることがあります。層別はQCにおいて重要なテクニックの一つです。

層別
件数
A XXXXXXXXXX
B XXXXX
C XXX
D X

チェックシート

抜け漏れなくデータを採取し解析するのに利用します。チェックシートはMECEになっている必要があります。

チェックシートはあらかじめ印刷して調査や検査時に確認しながらチェックを入れて行って数を数えます。調査や検査作業中はチェックするだけなので作業に集中できてかつデータを収集することができます。

チェックシートにおいてもPDCAを回してより使いやすいものに改良していくことも必要です。

チェックシート
1 2 3 4
A // /// // ////
B // / / ///
C //// /// // //

パレート図

事象を要因別や現象別に分けて、大きい順に項目を並べて、上位項目の比率を確認するのに利用します。

QC七つ道具のパレート図について
品質管理で著名なジョセフ ・M・ジュラン博士は、製品不良の要因は多くあっても、その主となるものが大きな割合を占めていることから、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見したパレートの法則にちなんで、棒グラフと折れ線グラフで項目のウエイ...

項目に差が見られない場合は、層別の仕方に問題があることがあります。上位2,3項目で70%以上になるような形が理想です。このような形になるような層別の仕方を工夫します。

層別はMECEに行われている必要があります。

棒線グラフ部分はそれぞれの項目の値に基づいて作り、折れ線グラフはA, (A+B), (A+B+C), (A+B+C+D), (A+B+C+D+E)のように累積させた値を描きます。この折れ線グラフで比率を確認できます。

pareto diagram

パレート図

パレート図の作成

パレート図はExcelで簡単に作ることが出来ます。

特性要因図

特性に関係している要因を抽出して、結果と原因の関係をまとめます。QCストーリーの要因分析特性要因図についてまとめていますので、そちらもご覧ください。

fishbone

特性要因図

QCストーリーの要因分析
要因分析では現状把握で明確にした攻めどころについて、「ばらつき」を引き起こしている要因を複数抽出して、データによって絞り込み、主たる要因が何かを特定していきます。 このステップがQC活動において最も重要です。「ばらつき」を生じさせているメカ...
特性要因図の代わりにFreeMindを活用する
特性要因図を描くことは要因を洗い出すためには欠かせない作業なのですが、魚の骨のようなこの図をPCの上で書くのは非常に苦労します。下の特性要因図はこのブログのためにPowerPointを使って作りましたが、これくらい大雑把なものであればPow...
QC七つ道具の特性要因図は有用か
部下に特性要因図を書かせてみると頑張って作ってきてくれるのですが、残念なことに納得が行く仕上りの図を見ることはほとんどありません。同じ課題に対して何人かそれぞれ指示すると、みんな結構違うものが出来上がってくることもよくあります。 まず特性要...

散布図

特性と要因など二つの変数間の相関関係を確かめるのに利用します。

相関関係と言っても一直線に並ぶことはなくばらつくことがほとんどで、より直線的に点が集まる場合には強い相関、ある程度ばらけているが線としてとらえられる場合は弱い相関といいます。全く規則性が見られない場合には相関がないことになります。層別毎にみることで相関が見つけられることもあります。

scatter diagram

散布図

散布図の作成

散布図もExcelのグラフの形式にありますので、簡単に作成できます。

ヒストグラム

区間ごとのデータでを棒グラフで表し、分布の姿や中心値やばらつきを確認するのに利用します。

ヒストグラムを分析するときは、データの分布の形、データの中心、データのばらつきの大きさ、データと標準との関係などに着目します。

横軸は通常階級になります。例えば横軸に年齢を取るのであれば、0-9歳, 10-19歳, …のように区画を取ります。このようにデータをグループに分けて、このグループを階級と呼びます。

縦軸は通常度数になります。度数は階級が発生した回数になります。

histogram

ヒストグラム

ヒストグラムの作成

ヒストグラムもExcelで作成できますが、データ解析を行うので多少複雑です。

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