QCストーリーの要因分析

QCストーリー
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要因分析では現状把握で明確にした攻めどころについて、「ばらつき」を引き起こしている要因を複数抽出して、データによって絞り込み、主たる要因が何かを特定していきます。

このステップがQC活動において最も重要です。「ばらつき」を生じさせているメカニズムに対して仮説を立てて、実際のデータから検証を行い実験計画法で実験を行ったりして、要因を特定していきます。

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要因を見つける

特性要因図や連関図を用いて要因を広く調べます。製造やメカ設計であればFMEAやFTAなどを用いてもよいかと思います。ここでは特性要因図と連関図について説明します。

特性要因図

特性要因図とは

特性要因図は特性(結果)と複数の要因とを系統的に線で結んで表した図のことで、魚の骨図(fishbone diagram)とも呼ばれます。

特性要因図では「ばらつき」として結果が発生した時点から、その結果に関連するプロセスを調査し、要因を抽出します。結果から要因を類推して行きます。「ばらつき」の良い場合、悪い場合で変化している条件の中から要因を見つけ出します。

要因はより細かな要因に落としていくことを繰り返し、具体的に対策が取れるだけ落とし込む必要があります。

作成手順

特性(結果)

特性(結果)を決め、右側の魚の頭に当たる場所に書き入れます。

特性は、良かったり悪かったりする「ばらつき」のある結果に対して要因を調べていくので、「~の未達」や「~が悪い」とかではなく、「~がばらつく」になります。実際に目標未達が問題であったとしても、目標達成したことがあれば目標達成率がばらつくとして、要因を調べていくことができます。

大骨の記入

大骨の要素は、大まかな分類を与えます。特性によってさまざまなパターンが考えられますが、一般的に利用できるものとして4M2Sがあります。4M2Sは、Man(人)、Machine(設備)、Material(材料)、Method(方法)、Space(場所)、System(仕組み)を表します。生産系であればあてはめやすいですが、あまりこだわらず適切な分類を探すとよいでしょう。

中骨・小骨の記入

大骨に影響を与える原因を中骨に記入していきます。中骨に影響を与える原因を小骨に記入していきます。小骨にさらに小骨ができることもあります。中骨・小骨は要因や条件になるので名詞で表現します。開発者のスキルが低いとかではなく、「開発者のスキル」とします。

fishbone

特性要因図の例

QC七つ道具の特性要因図は有用か
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連関図

連関図とは

連関図とは、原因と結果、目的と手段などが絡み合った問題に対して、因果関係を整理し、それぞれの関係を明らかにすることで原因を解明する手法です。

解決すべき問題は分かっているが、原因が絡み合って分かりづらく、混沌とした状態を整理し、何から手を打てばよいのかを特定したり、目的を達成するための手段を明確にしたいときに用います。

また関係の矢線が集中しているところは他の原因との関連が強く、重要な原因となること考えられます。

作成手順

現状把握で明らかにした結果の「ばらつき」を引き起こしていると思われる要因の因果関係に対して、原因究明したい問題を表現します。これがテーマになります。

一次原因を決め、二次三次原因と掘り下げていき、因果関係を矢印で結びます。一次原因はテーマの周辺に配置します。二次原因を抽出して一次原因の周辺に配置します。一次原因と二次原因、二次原因間で因果関係があるものは矢印で結びます。矢印は原因から結果に向けて引きます。三次原因に対しても同様に行います。

最後に主要原因を絞り込みます。一次原因は通常抽象度が高いので、主要原因にはなりません。矢印が多い原因に着目して、そこにつながっているものに重要な原因があることが多いです。

重要な要因は太く囲むなどします。

relationship diagram

連関図の例

要因の検証

特性要因図や連関図による分析も机上のもので、それが本当に主要要因であることを裏付けているものではありせん。何かしらの客観的な裏付けが必要です。

問題が発生するメカニズムを仮説として形成し、それが正しいことを実際のデータなどから論理的に裏付けていきます。

仮説が正しいのであれば、現状把握で収集したデータに対してどれもこのメカニズムで説明ができるはずです。もしもそうでない場合には、まだ主要要因が残っていると思われ、再度要因分析を行う必要があります。

要因検証方法

散布図による方法と、二元表による方法が主に利用されます。

散布図

数値データがある要因は、散布図で検証ができます。結果となる特性を縦軸に、要因の特性を横軸にし、結果と要因の相関を検証します。下の図では要因Aは正の相関が、要因Bでは負の相関がみられるので、それぞれの要因は結果に影響を与えるといえます。

scatter diagram

散布図の例

二元表

数値で表しにくい場合については二元表による検証ができます。結果を列に、要因を行にし、結果を層別し、要因と対応させその差が出るものを探します。

二元表の例
要因A要因B要因C
あるないあるない1回2回3回
良い結果6015330
悪い結果0615024
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