商品開発の問題解決の現場には、「競合が関係する問題」と「競合が関係しない問題」があります。これら2つの問題の問題解決において最も異なるのはスピード感です。その特性に応じたプロセスがあってしかるべきですが、あまり区別できていない人も多いようです。
競合が関係する場合は時間が勝負
競合が自社より優位な商品を出してきたら、対抗する機能を考えている間にも、競合の機能を調査している間にも、競合が市場をどんどん奪っていってしまっています。
このときの問題解決はまさに時は金なりです。問題解決において時間がかかることは、情報収集作業と解決策を考えることです。これらを素早くやる必要があります。
情報収集の短縮
パレートの法則に従って2割ほどの情報があれば8割の全容がつかめると思います。あれがこれがと情報を無駄にそろえていると競合にどんどんと置いていかれます。
2割の情報で判断するのはマネジメントの仕事です。たとえ1割でも何とかなります。優先順位をつけて的を絞って情報を集め、より少ない情報で判断します。そこで情報が足りないといって、もっと情報を集めるよう指示を出しているようではいけません。
責任を恐れてマネージメントが優柔不断であったり、リスクをとらないようだと、部内の士気が下がるだけでなく、会社の業績も下がるでしょう。
合格点の解決策
解決策を選ぶ際にも、競合が思いもよらない解決策とか、競合を凌駕するような解決策とか、そういったホームラン級の解決策を求めてはいけません。
もちろん限られた時間の中でホームラン級が出せればよいですが、ヒット級の解決策で十分生き残ることができます。
技術者は特に完璧を求めてしまいがちですので、マネジメントがメンバーの意識を補正してあげる必要があります。変なこだわりは捨てる必要があります。
競合が関係しない場合はじっくりと
特に時間的制約がない場合はQCストーリーなどで改善を進めていくことです。社内システムが使えない問題とか、評価効率が悪いような問題は腰をすえてじっくりやることが結局無駄な投資を抑えることになります。
まとめ
「競合が関係する問題」と「競合が関係しない問題」とは、スピード感の面で大きく違いプロセスが異なります。「競合が関係する問題」なのにQCストーリーのようなプロセスで問題解決に望むのは間違っています。
「競合が関係する問題」の場合は、的を絞った情報収集と、思考法や発想力を活かして解決策をできるだけ早く導くことです。ただしQCストーリーなどの問題解決で十分に基礎を身につけたうえでの応用になります。
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